top of page

美咲 ユーフォニアム担当

美咲(みさき)

 アニメをみて、ユーフォニアムにあこがれて担当した。

 性格は、几帳面で真面目である。冗談が通じないこともあるが、気分が悪いからと争うことも無かった。
 体つきも小さく細く、ユーフォを持つ姿は、大人がチューバを持つようにも見えた。2年生になると徐々に背が伸びてきた物の、華奢な細身の体型は変わらず、息量不足が音色に影響を及ぼしていた。徐々に腹筋ができてきたのか、音量も強さも安定してくるのであった。

 チューバほど大きくなく、女の子でもちょうど良い大きさである。白銅メッキの白みがかった銀色が派手で目立つこと。それもお気に入りであった。マウスピースも大きいので音は比較的すぐに出たが、肺活量が少ないことで安定した音が出せず、音を乱すこともしばしば。自分の音を出すことに精一杯で、他の音に合わせた自分の音を出すことまで気が回らない。いかに正確に安定した音を出すか、いつもそこばかりが気になっていた。
 低音域は、なかなか音が合わせにくい。高音域はすぐにずれれば分かるのだが、低音域は音の向きが広く全体が響き揺らいでいるため、微妙な音の調整が難しかった。でも、なんとなく「気持ち悪い」と自分でも思っていた。普段は明るく振る舞うも、実は自信が無く居心地が悪い思いをしていた。

 顧問の三田が思い切ったことを考えた。彼女にソロをやらせてみた。なるほど、他のパートと音が会わなくても、ソロならばいける。ユーフォ独特の芳醇な低音域でみんなを魅了させた。そして、美咲も開花するのである。

 もともと、几帳面な性格もあり、音がずれていることのコンプレックスが強く、人前にもなかなか出て行けなかったが、音が合うようになると、本来の明るい性格が表に出てくる。なにかと人を楽しませて、笑いを取りたいと想うようになっていくのである。

※ETCパート:ユーフォニアム・チューバ・コントラバス・(エレキベース)

表紙タイトル300.png
めざせ東海大会シーズン1画像.png
めざせ東海大会シーズン2画像.png

※ この物語は、とある、地方中学校を舞台に繰り広げる、無謀かつ純粋な挑戦の記録です。
※ ストーリー全体はフィクションでありますが、一つ一つのエピソードは実話を基に、アレンジをして書かれています。
※ 登場する実在の学校、団体、個人等と、全く関係・関連はありません。
※ この作品「めざせ!東海大会♪~ある吹奏楽部の挑戦~」は、著作物であり、版権は著者に依存します。無断転載、転用はお断りします。
※ 原作者(著者):ホルン太郎 なお、この作品は、取材で集めた実話をヒントに新たに書きおろしたフィクションです。
※ この作品は、一般市民団体「まちなか演奏会実行委員会」によって公開されています。

bottom of page