ホルンの仲間
ホルン
ホルンは、最も古い金管楽器とも言われていて、元々はヤギの角からできた円錐構造が基本です。その後
その長さを長くした物の典型例が、アルペンホルンで、2、3mもの長さがありますよね。
これをくるくるッと巻いたのが、ナチュラルホルン。ラッパと同じく、「ソドソドミ」のリップスラー奏法で奏でる楽器でした。これに3つのロータリーバルブで、半音下、1音下、1音半下と切替るようになり、今のフレンチホルンとなりました。直管よりも円錐部分が長く、ベルの開きが深く大きいので、深い響きが特徴です。音域はトロンボーンと同じですが、この深い響きが、クラリネットなどと似た雰囲気である事から、木管五重奏というアンサンブルでは、「木管楽器」の中に入っています。
通常使われるホルンとしては、
・Fシングルホルン
・B♭シングルホルン
・F/B♭セミダブルホルン
・F/B♭フルダブルホルン
などがあります。
基音はFですが、吹奏楽では、B♭として扱われる場合もあります。F管にせよ、B♭管にせよ、構造上出せない「音」が、ひとつふたつあるようで、その場合は、切り替えて使われるため、ダブルホルンがよく使われます。セミダブルかフルダブルかは、息の通る管が共有するか専有するかで、共有するセミダブルと、占有するフルダブルとなります。
楽器自体は長い管で、低い音を担当していますが、マウスピースは細く、その為、非常に吹きにくいことから、世界で一番難しい管楽器としてギネスブックに登録されています。マウスピースが小さいので、身体の大きな男の人では吹きにくいのですが、身体の小さな女性や子供の方が音は出しやすいようです。ただ、相当な息量が必要で、深いまっすぐな甘い響きをとなると、相当難しいですね。
演奏法で特徴なのは、右手です。通常、ベルの中に軽く握った右手を差し込んで、楽器をホールドしています。この右手の形状を変えることで、ベルの開口面積を調整して、音色に変化をつけているそうです。
聴衆からは完全に見えない、ベルの中の右手。ちょっと魅力的ですね。