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超初級イングリッシュホルンのお手入れ

Property Description

超初級ホルンお手入れ講座

 ・メンテナンス用品 
スピンドルオイル-min
ロータリー スピンドルオイル
ロータリーの軸部分に付けます


レバーオイル-min
レバー オイル
ロータリーレバーの可動部分用

ロータリーオイル-min
ロータリー オイル
ロータリーに直接付けます
注油用ニードル付
スライドグリス-min
スライドグリス
抜差管に塗ります
ヤマハ_ポリッシングクロス-min
ポリッシュクロス




簡単なお手入れ方法
 ●マウスピース
   吹く前に、簡単に水洗いしましょう。吹き終わったら、唾液が付いているので、中性洗剤で洗えばタンパク質の汚れは落ちます。無くても水洗いだけでもしていれば、さびにくいです。銀鍍金は、ほっておくと黒ずんできます。これはタンパク質の硫黄分が銀と反応するからです。こまめに洗っていれば、黒く変色しにくいです。ただ、鍍金の暑さは非常に薄いので、ブラシでゴシゴシ洗うと、銀鍍金が剥がれて、真鍮の粗金が出てきてまたさびやすくなります。普段は、柔らかい布なので丁寧に柔らかく拭き取ります。

 ●「おつゆ」はこまめに
   どうしても、つばが出ます。タンギングといって、「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ」など途切れた音の連発など吹けば、管の中はおつゆでいっぱいです。こまめに水抜き栓を開いておつゆを出します。その際、床がぬれます。そのため、小さめのタオルが必需品ですね。管内におつゆが溜まると、ブツブツ途切れた音になります。オーケストラなどでも、演奏の合間を見て楽器を左に回したりしておつゆを出していますよ。
 抜差管無いも意外に溜まっています。プロの奏者も演奏の合間に抜いて水を抜き出していますね。

 ●水でバシャバシャ!
   ホルンは構造が簡単なので、時々水をバシャバシャ流し込んで、1回転させて水を抜くなんて大胆な管内洗浄が出来ます。
 マウスピースを外して水道の蛇口から細々と水を入れて、→回しに1回転。そして逆回しに2回転させると簡単に水洗いできます。勢いよく回すと水が飛び出します。ゆっくりとお願いします。この際、レバーを押さなければ基本的に抜き差し管内には水が入っていかないはずです。抜き差し管内は、抜差管を抜いて直接水を通した方が綺麗になるでしょう。
 中性洗剤で、タンパク質を落とすのも良いでしょう。でも、その後の洗浄は何度もやって、洗剤が残らないようにしてくださいね。「金管吹きは楽器と一緒にお風呂に入る」そんな都市伝説、聞いたことありません?お湯で洗うと乾きも早いので、水洗いをする際、最後、給湯器のお湯で仕上げると、良いです。ただし、熱湯はだめです。金管だけにすぐに熱が伝わり火傷しますよ!

 ●バルブオイルとチューニングオイル

ホルン抜差管ロータリー側-min

抜差管を全部抜く

 このモデルは、F/Bダブル型で、手前側がF管部、奥がB管部となっています。
 通常、F管部の抜差管の方が管長が長いです。
 この抜差管をぬくときに、管に炊いて横に力を入れると、すぐにスライド部分が曲がりスライでできなくなります。注意しましょう。


ホルンロータリーオイル注油-min

ロータリーオイル注油

 ロータリーオイル容器にニードルを付け、慎重にスライド管内に差し込みます。この際、スライド管内壁を傷つけないように慎重に作業します。
 この間の下に、ロータリーがあります。2,3滴注油したらレバーを動かして馴染ませます。

 全ての穴で、同様な注油をしましょう。


ホルンロータリー軸受-min

ロータリー軸受 注油

 ロータリー部分の飾り蓋を外すと、中にロータリーの軸が見えます。この部分が回転しますので、この軸とロータリーシリンダー(軸受け側)との隙間にオイルを注油します。

 注油後、何度もレバーを動かして、オイルを馴染ませます。


ホルンロータリー裏-min

クランク軸受 注油

 レバーから伸びるロッドと、クランクの軸受部(写真の上部)と、ロータリーの軸受け部(写真下部)にも注油します。

 注油後、何度もレバー操作して、オイルを馴染ませます。


ホルンバルブレバー-min

レバースプリング部 注油

 回転型のスプリングなので、錆びると動きが悪くなります。

 常に外部に露出しているので、揮発性の低い、グリス状のオイルが向いています。


 オイルの種類


楽器に使うオイルは、いくつか種類があります。それぞれ特性があります。「適材適所」で使い分けてくださいね。

●ロータリー スピンドルオイル
 非常に粒子の細かい揮発性の高いオイルなので、演奏終了後、また、演奏前に頻繁に差してください。
 ロータリーと、ロータリーシリンダーとが直接擦れないように、薄いオイルの膜で浮かせて、スムーズな動きを確保しています。そのため、オイルの分子構造は非常に小さく、粘性(ネバネバ感)は低く、さらさらしています。そのため、しばらく注油していないと、オイルが蒸発したり、シリンダー下部に落ちたりして、オイル切れを起こします。この状態で激しくロータリーを動かすと、ロータリーとシリンダー内壁に傷が付き、ひどい場合は仕え万区なります。いつもたっぷりとオイルを注油しておきましょう。

●レバーオイル
 粘性が高い(グリス状)ので、頻繁に差さなくても良いです。ただ、水洗いした場合は差してください。
 レバー、スプリング、ロッド部分は、常に外気にさらされています。そのため、湿度、温度、耐薬品性、耐光性に優れた性質の物が使われます。俗に「グリス状」と呼ばれる、オイルの分子粒子が大きく、また構造がでこぼこしていて、オイル同士や他の物質と絡みやすい構造をしています。そのため、見た目は「ネバネバ」しています。蒸発しにくく、湿気似も強いのですが、ぎゃくに空気中の埃なども絡みやすいです。
 自転車のチェーンなどに「グリス」は使われますが、黒いネバネバしたオイルとイメージできますよね。でも、塗ったばかりは、透明で、若干黄みがかっている程度です。擦れて出た金属微粒子や、空気中の埃などを巻き込み、さらに酸化することで、あのどす黒いどろっとした塊になります。
 あそこまで劣化すると、繊細な楽器では使い物になりません。やはり、定期的に洗浄してオイルを新しく塗る必要がありますね。 

●スライドグリス
 水洗いした後は、主抜差管、1番、2番、3番抜差管のスライド部分に、スライドグリスを塗ってください。スムーズなスライドと空気漏れを防ぎます。
スライドグリスを塗って管を抜き差しして、グリスを馴染ませるとともに、はみ出たグリスはティッシュで拭き取ってくださいね。
 ホルンの抜差管は、基本、演奏中には操作しません。そのため、トロンボーンのスライド管のようなスムーズな動きは必要ありません。また、逆に管体上部に引き抜きます。スムーズすぎると重力で抜差管が引っ込んでしまいますね。
 適度な硬さと、エア漏れが無いように常に隙間を埋めていなければならないため、粘度(ネバネバ感)が高い性質になっています。


ホルンF抜差管-min

F管抜差管

 右から、1番抜差管、2番抜差管、3番抜差管と呼びます。
俗に、1番抜差管を「胃袋」、3番抜差管を「靴下」と呼ぶようですね。
 このスライド内部管部分は、非常に繊細ですので、傷が付かないように、また、曲がらないように注意しましょう。
 この部分に、オイルを注油して、指で馴染ませます。


ホルンB抜差管-min
B管抜差管

 右から、1番抜差管、2番抜差管、3番抜差管と呼びます。
F管よりも短いですね。この形状は、本体の取り回しによっても変わります。このモデルは、「胃袋」「靴下」の形状をしています。胃袋は、「胃下垂」状態ですね。


ホルン主抜き差し管F抜差管-min

本体抜差管

 右が、主抜差管、左が、F管主抜差管です。

 F/Bダブルタイプのチューニングは難しいです。管長に余裕があるF管でチューニングをして、B管で補正すると言うのが一般的のようですが、そのF管に2つの抜差管があり、その按配は、その人の癖や気温湿度など、いろいろな要素があり、「これが標準」がないとか。

●錆からの保護

基本的に、真鍮にラッカーという樹脂製の塗料がかかっていて表面を保護しています。でもラッカーも表面が柔らかいので、傷が付きやすいです。特に手指の皮脂が固まったりするとラッカー切れを起こす原因となります。ラッカー切れを起こすと、真鍮はすぐに錆びて、穴が空く事もあります。
演奏後、柔らかなポリッシュクロスで丁寧に吹くことで、表面を綺麗に保てますね。



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