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超初級ホルンの吹き方

​超初級管楽器の吹き方講座

 まずはともあれ、ちょっと吹いてみませんか!
今年も開催予定 詳細はこちら↓


 ホルンは、金管楽器でありながら、「木管五重奏」などに登場します。形は「金管楽器」ですが、音は「木管楽器」と言われ、吹奏楽よりはクラッシックのオーケストラで活躍する方が多いかも知れませんね。また、金管楽器のほとんどが「ピストン」を用いて管を切り替えるのに対し、ホルンは「ロータリー」で切り替えるのが主流です。これはロータリーの方が内部管径を大きく取れて吹く抵抗を低く出きることと、切り替えが素早くまた管の長さを正確に調整することが出きる特徴があります。そのため、ホルンのような正確な響きが必要な楽器にはロータリーバルブが用いられます。
 ホルンの基本は、F管ですが、B♭管もあり、また瞬時に切り替えられる、F・B♭ダブル管という者もあります。ここでは、基本のF管シングルを用いて、解説します。ダブル管は見た目はキラキラしてかっこよいですが、重いです。シングル管は軽く、吹く抵抗も少なく吹きやすいですね。


 ※あくまで超初心者に、興味を持ってもらうことを前提としています。コンクールを狙う吹奏楽部生さんや、ソロを狙うプロをめざす人には、全く参考になりません。変な癖が付く前に、ちゃんとした指導者の下で本当の「レッスン」を受けてくださいね。

奈菜800-min
「めざせ!東海大会♪」キャラクター
ホルン 奈菜


めざせ!で、ホルンを担当している、奈菜です。

ホルンは、ギネスブックにも「世界で一番難しい管楽器」として認定されて要るぐらいに、難しい楽器なんだよ。
 何が難しいかって、マウスピースが細く、アンブシュアがちゃんとできないと、音すら出ないし、ベルの中の右手は、グウチョキパーで音を変えられるし、呼吸がちゃんと出来ないと、音が揺らぐし....
 でも、のどかな田園風景のような優しい響きから、トロンボーンを連想する激しい音まで、表現がいろいろできて、自分で気持ちがいいんだよ。
 最初は、コツがいるし,ベルが反対方向向いているので、指揮者にはワンテンポ遅れた音が聞こえるし、音色も微妙に高く聞こえるみたい。
 チューナーのメーターより、出ている音に合わせるつもりで吹くと、綺麗に吹けるかも。
 ホルン同士で重奏すると、鳥肌が立つよ!
 だから、私は、ホルンが大好き!



超初級ホルン講座

 ●用意する物
 ・ホルン本体  管にへこみがなく、ピストンの動きに引っかかりのないもの。中古の安い楽器で十分です。
ここでは、安くて軽くてすぐに音が出て吹きやすい、F管シングルホルンをお勧めします。
ホルン250-min
J.Michel FH-750
ベル 277mm ボア 11.80mm
レッドブラス 抜差管洋白 ラッカー仕上げ
中国製なれど、日本で設計され、日本で品質管理をされているメーカー
修理調整もメーカーが対応します。
東京佼成の木村氏や、桑マンなどが使っています。
柔らかな音色が特徴
一回り小さく軽く、初心者向き

 ・マウスピース    トランペット付属の物があればそれで十分。無ければ、BRUNO「TILZ S8」を一つ。中古で十分!
ホルンHr_S8透過250-min
BRUNO TILZ S8


 ・やるぞ!という心   これ、案外重要....  時々、忘れる....


Step.1 アンブシュアとアパチュア

 ホルンのマウスピースの当て方は、他の金管楽器、トランペットやトロンボーンと大きく違います。それは、直径が小さいこととリムと言われる縁が薄いことが上げられます。アンブシェアをしっかりと取らないと音になりません。
まずは、正しいアンブシュアが作れるようにしましょう。
 唇を軽く閉じ、両端に引きます。この際、口角が下がらないように、若干あげ気味にします。「ニッ」って微笑むような感じですね。この状態で唇をわずかに開いて息を吹きます。この際空気の通り道のことをアパチュアと呼びます。唇の先15cm程度にティッシュなどを両手で持ち、この状態で息を吹き付けて、ティッシュが勢いよく揺れれば、良いアンブシュアということです。片側に揺れれば、アパチュアが片側によっていると言うことですね。ティッシュの揺れの勢いが弱いのであれば、息量が弱いです。唇の両端の筋肉の比企具合が弱いのでしょう。何度も吹いてみましょう。この段階で「ブー」と音が出ればラッキーです。まさにそれが正しい形ですね。
 微笑みの唇で下顎を引くと良いと言いますが、人それぞれのようです。唇の形も前歯の形も顎の形も、人それぞれです。いろいろチャレンジして自分に合ったアンブシュアを見つけましょう。

Step.2 マウスピースの当て方
ホルンマウスピース位置-min
 次にマウスピースに当ててみます。
 一般に上唇に内径の2/3、下唇に内径の1/3を当てるようなイメージです。もちろん個人差があります。上下の唇が同じような厚さの標準の人の場合です。また、顔をまっすぐにしたとして、トランペットの場合は、地面に垂直に当てると大きな音が出しやすい(ベルが水平になる)と言われますが、ホルンは、ベルが後ろを向いています。綺麗に後ろに音が飛んで反射させるためには、楽器をある程度前傾させることが必要となります。
 つまり、マウスピースも若干唇より下向きに当てると良いようです。このあたりも、だいぶ個人差があるようです。自分で一番音が出やすい場所を探すことになります。何度もアンブシュアとアパチュアの関係を押さえつつ、マウスピースを当てて見ると良いでしょう。
ここで安定的に「ブー」と出れば、次のステップですね!

Step.3 楽器の持ち方
ホルンの持ち方350-min

 まず、背筋を伸ばしてホルンを左手は親指はリング(F管シングルの場合)に、小指はトリガーに引っかけます。人差し指で1番レバー、中指で2番レバー、薬指で3番レバーが押せるように持ちます。B♭管やF/B♭ダブルの場合は、親指を第4レバーに当てます。
 右手はベルの中に指をすぼめて入れて水平に持ちます。右手の形はいろいろ変えると音が変わるようですが、まずは、手のひらをピッと伸ばすのではなく軽く延ばした状態で、指をベルの穴の奥に突っ込むように入れて、ホルンを支える感じで添えましょう。これも、正しい右手の形はないようです。いろいろと試すと良いでしょう。一般にベルを塞ぐと暗くこもって音程は低くなる様です。逆に手のひらを伸ばしてベルを塞がないようにすれば、明るくちょっと高めの音になる様です。昔はロータリーバルブが無い時代はこの右手と倍音で音階を作っていたそうです。(ナチュラルホルンなど)
 次に、マウスピースを当てるのですが、首を少し傾けて、ホルンが水平より前屈みになる様にします。好みもあるかと思いますが、左手のレバーの並びが地面に対して45度程度の傾きがある位が良いでしょう。
 次に全体を右側に30度程度方向を変えます。右手の脇がしまって安定するようにします。
 求める音や、体の個人差がありますので、必ずこの姿勢ということではありませんが、基本的に傾いて持ちます。従って、ベルは→斜め後ろに向いている事となりますね。

Step.4 まずは吹いてみよう!

 まずは、息を吹いてみましょう。これで一発で、ぼぉと出れば、話が簡単です。そういう子もいるようです。でも、ほとんどここで躓きます。プスーとか、スーとか、下手すれば息が入っていかない。ンー、ッッッ、く、苦しいぃ!
 ほとんどの人が、ここで「音」が出ません。で、「あぁ、無理、無理」と諦めちゃいます。そうです。それまでの「ピアノ」も「オルガン」も「リコーダー」も、誰でも「音」になります。上手い下手はともかく、誰でも「同じ音」が出ます。吹奏楽は、金管にせよ木管にせよ、ここが出来ないのです。

 唇を指に当たるとか、げんこつを作って指マウスで音を出すとかして、また、マウスピースを当ててください。そんなことしていると、突然「ブォォォン」と出たりします。不思議なことに、マウスピースだけだと、結構「ぶーぶーぶー」と音が出ていても、楽器に付けると「プスースーッ」と音にならないことが多いです。でも気にせず、なんとか「音」になるポイントを探してください。こればかりは、体つき、歯の形、唇の形など個人差が大きくて、手取り足取り教えられません。マウスピースを当てる角度や唇をとんがらせたり、下唇で押してみたり、とにかく何でも良いので、「音」になるポイントを探し当ててください。人によって違うと思ってください。ここだけは、自分だけの練習ですね。

 さて、ボォォンと音が出たら、その音がどうしたら出たのかを検証します。簡単に言えば、同じ事をやれば、「音」が出ます。一旦、唇を外して再度吹いてみます。何度かやっていくと、連続して「ぼぉおん、」と出せるようになります。その時の唇の開き、頬の力の入れ方、全てが正しいわけではありません。でも「音」を出せるという広い意味では「正しい」ポイントです。まずは、ひょいと楽器を持って、「ぼぉおん」と一発で出せるようになりましょう。
 まずは、ここからです。

Step.5 だめな吹き方

 ●なんで、音が出ているか
  マウスピースは唇と繋がっているだけです。ここに「音」を作る構造はありません。「音」は唇の振動です。この振動で揺らいだ空気をまずはマウスピースで増幅させます。マウスピースのカップの空間で反響させて、「強い振動」に変えます。唇の振動と、マウスピースに反射した振動がぶつかり合って、共鳴して、振動の干渉波が生まれます。これが「倍音」で「響き」の成分です。子供の頃、唇だけで、「ぶっ、ぶっ」ってやった経験ありますよね。基本はあの状態ですが、これをマウスピースの中でやることで、「響かせ」、雑音から「音」に変えています。楽器とはいえ、楽器は単なる拡声器でしかありません。音はここ、マウスピースで作られます。

 ●楽器でどうして「音」が良くなるの?
  「音」は空気の振動で、その振動波の波長が「音」として聞き取れます。俗に言う周波数ですよね。これで音階が作られます。ホルンなどの金管は、出したい音の周波数に応じた管の長さを通せば、その「音階」が出せます。パイプオルガンなど、長さの違うパイプがいっぱいありますね。金管は基本的に1本の管で出来ています。その昔は、そのまま音階を奏でていました。アルペンホルンが代表ですね。それでは、早いテンポの音が出せないので、3つのピストンで長さが違う管を差し替えることで、音階が出来るように作られました。
 そして、この管の中を空気の振動が伝わっていくのですが、単にスピーカーの先に着いているホーンとは違い、息を吹いているので、「音」の振動とは別に直接吹いた息の「空気」も流れてきます。これらが、管壁にぶつかったり、相互干渉したりして、くるくる回ってベルから出るときに、豊かな「響き」に変わって飛び出してくるのです。

 ●だめな吹き方の見分け方
   この原理を考えると、どんな状態が悪いかが分かります。
 1)右手でマウスピースだけで音を出してみる。
 2)その状態で、左手で楽器を持ち、マウスピースに当ててみる。
 3)ぼぉおんと、楽器から大きな音が出てきます。
 4)そのまま、楽器を外してみましょう。
 上手い吹き方であれば、マウスピースから、ブーブーと音が出ています。
 下手な吹き方だと、音が出ていません。

 単に楽器はマウスピースの音を拡大しているだけです。下手な吹き方でもとりあえず拡大します。ところが、下手な吹き方をしていると、そのちょっとした変化に唇や呼吸が付いてきません。そのため、そっと楽器を外しただけで、「音」になりません。不思議ですね。何か別の振動が伝わっていたのかも知れませんね。

ホルン奈菜500


Step.6 まずはロングトーン


 ●まずは、ド(F)から。
 ピストンは押さなくてよいです。右手は小指でグリップして親指を1番レバーを押さえてしっかりと持ちましょう。
 いろいろ吹いてみると、何度も同じ音が出てきます。その音を出そうと思って、いろいろ唇を動かしたりします。一番吹きやすい音が「ド」です。正確な音を出すには「チューナー」を使って針の位置やLEDの光で見つけると良いでしょう。でも、最初はまず「音」を出すことが大事。正確な「音階」は、プロになっても大変なこと。最初からそこに躓いていると先が見えません。ブーでもボーでもまずは安定して音が出るように何度も吹きましょう。
 同じ「音」を長い時間吹き続けること。息が足りなくなると、力を入れて「高く」なるか、息切れで「小さく」なります。これでは音楽になりませんね。一般に、「4秒出して、4秒休む。」これを繰り返します。
  ♪=60
 一般によく使われるし、時計と同じなのでベースになりやすいですね。まず、このテンポは覚えましょう。

 ●次は、ソ(C)
  この音も、レバーを使いません。先ほどよりもちょっと高い音を出すようにイメージします。唇の隙間を薄くして唇の左右の頬の筋肉を強めて、息を強く吹く。そんなイメージで試行錯誤すると、音が裏返ります。ホルンは管長を変えないでも倍音が出せます。
 F・C・HighF・HighA (ド・ソ・ド↑・ミ↑)とピストンを使わないで音が出せるように作られています。ただ、低い方も高い方も難しいです。唇の格好(アンブシェア)がちゃんと出来ていないと、音になりません。逆に言えば、出ない吹き方は「間違っている」と言うことですね。
 ちなみに、LowA(ソ↓)は、トランペットは解放、もしくは第1第3で、同じ音が出ますが、ホルンは、第1第3(レと同じ)でしか出ません。さらに、LowB♭以下は出ません。そのためにB♭管に切り替えます。

 ●呼吸は、腹式呼吸
  「腹式呼吸」これは、横隔膜で呼吸をする方法。一般には「肺呼吸」で、胸を広げて深呼吸をしますが、吹奏楽で必要なのは「腹筋」です。でも「腹式呼吸」じゃないですよ。(笑 
 お腹を膨らまして息を吸い込み、お腹をへこまして息を吹く...(腹式呼吸?)ではなく、横隔膜を上げたり下げたりする感じです。お腹を膨らまさないように、脇腹から背中に掛けて力を入れる。そんなイメージで呼吸を繰り返しやってみましょう。これは、楽器を吹かない日常生活でも出来ますね。男の子は比較的無理しないでも肺活量でねじ伏せれますが、女の子は特にこの「腹筋」と「腹式呼吸」を鍛えましょうね。
 前述の「正しい姿勢」も実はこの「腹式呼吸」がやりやすい姿勢でもあります。

 以上の事を慣れないうちは、10分でも良いですから、毎日続けましょう。最初は頬の筋肉も、楽器を持つ腕の筋肉も、腹筋や横隔膜もすぐに疲れます。10分が物足りなく感じてきたら、20分、30分と増やしていきましょう。焦らなくて良いです。人によって歯の形、唇の形が違います。そもそも、トランペットは西洋人が作った楽器で、日本人の骨格には合わないとも言われています。

 どこで、人が嫌になるかと言えば、大体ここの段階です。思ったように「音」が出ないです。それは、下手なのではなく、普段使わなかった「筋肉」とそのコントロールする「神経」が追いつかないからです。それだけです。センスがないのではないですよ。たまたま、骨格などがフィットして、すらっと吹けちゃう子もいます。「その子」が上手いのではなく、体が合っていただけです。「その子」にしても頬の筋肉や腹筋が出来ているわけではありません。誰もがみんな通る道です。

 どうしても「吹く場所」「吹く時間」が取れなければ、マウスピースだけでも吹いてみましょう。マウスピースだけでも、音の裏返しは出来ます。また、日常生活でテレビを見ているときでも、アンブシェアの練習が出来ます。唇を平べったく左右に伸ばして、わずかに唇を開けるだけ。この姿勢で腹式呼吸で先ほどのテンポで、吸って吐く。これを繰り返す。これだけでも、イメージトレーニングになります。

 そして、同じ音のロングトーンを、最低10分。毎日。

Step.7 ドレミファソを拭いてみよう

 まずは、1音1音出していきましょう。ド(F)の次は、
 左手の人差し指と薬指で、1番、3番レバーを押して、レ(G)
 次に、左手の人差し指と中指で、1番、2番レバーを押して、ミ(A)
 人差し指で、1番レバーを押して、ファ(B♭)
 指を押さずに、高い解放音、ソ(F)

 ♪=60 (4秒吹いて、4秒休み)
 ドーーーー、休み、レーーーー、休み、ミーーーー、休み、ファーーーー、休み、ソーーーー、
 ソーーーー、休み、ファーーーー、休み、ミーーーー、休み、レーーーー、休み、ドーーーー。
安定するまで、5往復でも、10往復でもやりましょう。これが出きれば、
 ドー、レー、ミー、ファー、ソー
 ソー、ファー。ミー、レー、ドー
と、一息で上がって、一息で下げる。
 下げていくときに、「ミ」から「レ」に移るときに,意識的に「裏返り」をイメージします。普通に吹くと、高い音が出るかも知れません。
 そして、一息に
 ドレミファソファミレド
 と、上り下りを出します。指使いと、「裏返り」を意識して何度も繰り返しましょう。

 ちょっと、メロディーっぽく吹くと綺麗に聞こえます。
 ドーーレミファソーー、ソーーファミレドーー

Step.8 「聖者の行進」を吹いてみよう!

 聖者の行進は、「ドレミファソ」だけで、吹ける練習曲にもなります。ロングトーンばかりじゃつまらないので、時々曲を演奏すると、「その気」になります。でも、基本が出来ていません。イメージは、ジャズのソリストですが、そんなふうにはまだ吹けないですね。下手にテンポを付けずに、1音1音ちゃんと出すことに専念しましょう。というか、かっこよく、リズムを付けても「音」が出ないはず。

 「ドミファソー、ドミファソー」
 「ドミファソーミードーミーレーーー」
 「ミミレドー、ド、ミーソーソファー」
 「ミファソーミードーレードーーー」

 「聖者の行進」を上手に吹く事が目的ではなく、音が一つ飛ばしにあがったり、テンポがあったりで、その変化にアンブシェアや呼吸が安定してついて行けるかの練習です。それと、つまらない練習に「華」を添えるという意味もありますね。
 まぁ、楽しんで吹いてください。

Step.9 スケール

 さて、次のステップは、高い音を出すことですね。ホルンは音域が広いので、トランペットほど難しくはないですね。ただ、ただしい吹き方でないと音が出なかったり、レバーを押しても音が変わらなかったりします。

 左手の人差し指と中指で、1番2番レバーを押して、ラ(D)ですが、これ、さっきやりましたよね。そうです。ミ(A)と同じです。「ド」の高域裏返りが「ソ」であり、同じように、「ミ」の高域裏返りが「ラ」という関係です。
 左手の中指だけで2番レバーを押すと、シ(E)となります。
 そして、レバーを押さないで、さらに高音域へ裏返すと、ド(HighF)となります。

 不思議と、出てきます。最初は、プーっ、とちょっとですが、すかさず、息を吸い込んでその音を出そうとすると、プーーーーと出てきます。

 さて、これが出来たら、ロングトーンでいきましょう。

 ♪=60
 ドーーーー、休み、レーーーー、休み、ミーーーー、休み、ファーーーー、休み、ソーーーー、休み、ラーーーー、休み、シーーーー、休み、ドーーーー。
 ドーーーー、休み、シーーーー、休み、ラーーーー、休み、ソーーーー、休み、ファーーーー、休み、ミーーーー、休み、レーーーー、休み、ドーーーー。


Step.10 スケールをリズミカルに吹こう!


 「響け!2」のコマーシャルに入る前に、各楽器のスケールが入りますね。さすが音楽大学の音。良い音です。あれをイメージして、吹いてみましょう。一息で吹くので、そこそこ速度が要ります。吹く息量と、指使いフィンガリングが重要になってきます。ゆっくり吹くのとはまた違った力が必要です。ゆっくりと長く同じ音を出す時は、音を出している最中に大きくなったり小さくなってはだめで、同じ音を吹き始めた瞬間から止める直前まで吹くと言うことです。下手なときは、吹き始めが強く高めになったり、終わり頃は息切れで、高くなるか、ぷすっと音にならないか。途中は、音を探して高くなったり下がったり、意図しないビブラートが入ったりします。それをそうならないように練習します。
 早いスケールは、吐く息量のコントロールと、タンギング、フィンガリングと、別の技術が必要です。そして、頭の中で「音」をイメージして、頭の中で「唄って」それに併せて吹くという感じが、実は良い音になってくる様です。「唄う風に吹く」とよく言っていますね。

 さて、超基礎的な、Step.1~10までは、楽譜のことは一切考えなくて良いです。頭の中で、「ドレミ」をイメージして吹いてください。

 私たちのコミュニケーション手段の一番大切なのは「言葉」で、次が「目線」と言われます。吹奏楽では、吹いているので「話せ」ません。指揮者を見ているので、周りや後ろの人の「目線」は見れません。吹奏楽で大切なコミュニケーション手段は「音」です。「言葉」と「目線」と同等の意味合いがあります。吹奏楽の演奏者は、「音」で話しているのです。
 そのために、まずしゃべれるようになること。つまり、「音出し」が出きること。これは最低条件ですね。

 「響け!」の描写に、校舎のいろいろなところで、個人練習をしていますが、わざと誰かのスケールに合わせて、スケールで答える。まるで、ウグイスの谷渡りのように。遠くにいる仲間と、この音だけで通じるものがあるようです。


簡単な運指表
ホルン運指表ドレミ600-min

 これは、F管シングルの時の、運指表です。F管シングルのホルン音基音はFなので、ここで言う「ド」は、Fを指します。
ちなみに、ホルンには、B♭管シングルや、F/B♭ダブル管などがあります。この場合のB♭シングル管の基音は、B♭ですが、ややこしくなるため、楽譜は、inFで書かれています。F/B♭ダブル管でも、第4レバーを押さなければF管シングルと同じです。この場合、B♭でも違う運指で同じ音を出すことも出来ます。演奏のしやすさや、音の出しやすさで使い分けるようです。この楽譜よりさらに低い音になると、B♭管では出ない音があったり、F管では出ない音があったりします。
 楽譜上段に、「in F」と書かれています。これは、Fの音階で吹いてねという意味とが混ざっています。
 トランペットなどは、B♭-durとか、B-durと書かれています。これは、変ロ長調という意味で、変ロ=シ♭という意味で、シ♭=Cに変調していますという意味。ちなみに 「Dur」は、長調。英語では「major」。短調は「Moll]、英語では「minor」です。
 言葉の違いで、「FーDur」は、この曲が、「ヘ長調の音階で書かれています。」という意味で、たいして「in F」は、F調の音階で演奏してね」という意味となります。後述の、モーツァルトのホルン協奏曲などは、曲自体は、変ホ長調「Es-dur」で書かれています。でも、使う楽器によって、楽譜が書き換えられています。ピアノ用は「in C」ですし、ホルン用は「in F」となります。一般的な楽譜は、「in C」で書かれていますね。ピアノ用が標準と言うことですね。ちなみに、仮に「ヘ短調」の曲は、「F minor」と書かれています。この場合、ホルンで吹くとすると、「in F」と書かれているかは、ちょっと不明ですね。音階が違うはずですので....


 ここは、超初級講座ですので、簡単で軽いF管のみ解説しますね。
 この指使いは、よく見ると、B♭のトランペットと同じですね。構造が同じなので、ベースとなる音が違うだけで、考え方は同じと言うことです。ただ、右手でピストンを押すか、左手でレバーを押すかが違うだけで、使う指は同じとなっています。(厳密に言えば、左右対称)

ホルンの実音は?
ホルン実音階600-min

 さて、吹奏楽の基準の音は大抵、B♭です。それは、トランペットやクラリネットなどの多くの楽器の基音がB♭だからです。ややこしいのは、チューニングする際、ピアノを基準にすることが多いですが、オーボエでチューニングすることも多いですね。オーボエはもともと、C(ツェー)の楽器です。このオーボエは、ピアノとかグロッケンのC(ツェー)の音で調整します。とにかく、出てきたB♭にみんなが合わせるのですが、ホルンは、「ファ」の音(人差し指を押す)を出せば良いと言うことですね。ただ、F管シングルの場合1番2番3番抜差管はスライドしますが、1番管で調音してもその音だけしか調整できません。解放の状態でB♭と音が合うように、主音抜差管(裏のU字管)を引っ張って調整して、その上で、1番を押して1番管を調整するらしいです。
 うーん、超初級には要らない知識ね!おそらく、その前に、唇の向きや、右手の入れ方を変えた方が良さそうですよ。

B♭(ベー)でドレミを吹いてみよう
 吹奏楽の基本の音は、B♭(ベー)です。ちなみに、皆さんが普通に知っているのは、ピアノで弾く「ドレミ」ですよね。これは、ハ長調と呼び、英語では、C(シー)、ドイツ語読みでは、C(ツェー)と呼びます。吹奏楽は、楽器によって基音は異なります。トランペットやクラリネットは、B♭。フルートやオーボエは、C。アルトサックスや、エスクラは、E♭。ホルンはFなどですね。これで「皆さん、ドを出して」というと、それぞれ、B♭や、E♭など楽器毎違う「ド」となり、騒音となります。クラッシックではA(ラ)が基音としていますが、吹奏楽は、B♭にしているところが多いと思います。
 合奏練習の一番始めなど、みんなで同じ「ドレミ」を出して、気持ちを高めたりしますね。「響け!」の世界でも、校舎のいろんな所から、いろんな楽器の「ドレミファソレシド」が聞こえてきて、自然にみんながそれに合わせる、なんてシーンがありますが、実際の学校でも、放課後の部活の個人練習の時など、あるそうですね。私は、「スケールの谷渡り」なんて呼びます。
 先ほどは、まず、この楽器になれるために、F調での「ドレミ」を練習しました。次は、みんなと合わせるための、B♭調での「ドレミ」を頭に入れましょう。新たに覚える運指(指使い)は、E♭(エス)だけです。
ホルンFシングルB♭スケール600-min

 ここでは、Fシングルホルンで解説しています。吹奏楽で使うホルンは、B♭シングル、もしくは、F/B♭ダブルが多いと思います。Fシングルでは、LowB♭以下が出ません。そのため、第4ロータリーを押して、B♭管に切り替えて、LowB♭を出します。従って、一般に吹奏楽でのホルンの基調B♭は、LowB♭だと思いますが、残念ながらここにあるFシングルだと、一つ上の、B♭を基調とします。1オクターブ高いと言うことですね。

C(ツェー)でドレミを吹いてみよう
ホルンFdur実音ドレミ600-min

 吹奏楽全体での基音はB♭(ベー)です。吹奏楽用に書かれた曲で合わせるには、これで良いですが、子供達が唄う歌に合わせて伴奏するとなると、1音ずれているのがネックです。例えば、サウンド・オブ・ミュージックの「ドレミの歌」。これが典型例です。子供達は、当然ピアノに合わせて、「ドーは、ドーナツのド」と歌います。「ドーレミード、ミードーミー」ですよね。実音で書けば、「ツェーデエーツェ、エーツェエー」です。
これを、吹奏楽の楽譜B♭でそのまま吹けば、「ベーツェデーベー、デーベーデー」となり、1音ずれます。ましてや、ホルンのそのままのF調で吹けば、「エフーゲアーエフ、アーエフアー」と、4音ずれます。もう、むちゃくちゃ。
その時は、このC調のドレミで吹く必要がありますね。


ドレミで吹いてみよう
 ほとんどの曲が、ドレミに変調できます。合奏するとなると実音を合わせる必要がありますが、一人で吹く分には関係ありません。ちゃんとした音階が取れる陽になるために、ロングトーンとスケールの練習が欠かさないのですが、それだけは面白くありません。たまにはメロディーを付けてみると、音をイメージしやすいです。

 ● 聖者の行進
ホルン聖者の行進ドレミ600-min

 ● ベートーベンの第九

ホルン第九歓喜の歌ドレミ楽譜600-min

 ●ドボルザーク交響曲「新世界」より第3楽章「家路」
ホルン家路ドレミ600-min


モーツァルトを吹いてみよう
 ホルンと言えば、モーツァルト。
モーツァルトは、4曲のホルン協奏曲を書いていますが、4曲とも、ホルンの特長を活かした名曲です。その中でこの曲「ホルン協奏曲第4番第3楽章」は、運指はほとんど無く、タンギングだけの名曲です。原曲は♭3つのの「変ホ長調」(E♭-dur)ですが、これを「ドレミ」に書き換えてみました。実音は、F-durですので、原曲より1音高いですね。E♭(エス)、A♭(アイス)が吹ければ、原曲でもいけますね。まずは、ドレミでやってみましょう。

 ●ドレミで吹くと...
ホルン協奏曲4_3_600-min (1)
↑ (初級用に簡単にしました)

 ●原曲 ホルンソロ in F 
  これが、原曲版です。変ホ長調の曲ですが、それをホルン用に、in F で書かれています。この音符のまま、吹けば、原曲通りの音が出ます。
ホルン協奏曲4_3原曲inF600-min


 ●原曲 ホルンソロ in Es


ホルンEs差替-min
  こちらは、原曲の変ホ長調のまま楽譜にしたもので、♭も♯もありません。よく見れば、最初の「ドレミ」の譜面と、1オクターブ違うだけで、音程は同じですね。さて、Fシングルホルンは、主抜差管を、Es抜差管(オプション)に差し替えることで、Es管となります。ホルン協奏曲などクラッシックの曲は、変ホ長調(Es-dur)で書かれていることが多いです。このモーツァルトのホルン協奏曲(全4曲)も、ベートヴェンなども好んで使われました。それらを演奏するには、この抜差管の差し替えは有効的な方法ですね。
ホルン協奏曲4_3原曲inEs600-min


 ●原曲をピアノで弾いてみよう(in C)
   では、これをピアノで弾いてみるとなると、in C に書き換えないと、音が揃いません。この楽譜が、原音となります。
ホルン協奏曲4_3原曲inC600-min

 このように、変調させることで、いろいろな楽器で演奏できます。慣れてくると、楽譜を見ただけで、頭の中で譜面を書き換えて演奏できるようになります。

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※ 一部の楽器の写真は、ヤマハ株式会社より提供および掲載承認のもと掲載しております。無断転載等ご遠慮ください。
※ イラストは、「めざせ!東海大会♪」製作委員会の著作物です。無断転載等ご遠慮ください。

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